人はなぜ負の感情が産まれた時に頑張る気持ちが産まれるのか?

努力 心理

私たちが生きている中で、誰もが避けられないもの、それが「負の感情」です。

悲しみ、怒り、不安、孤独感、自己嫌悪—これらの感情は私たちの日常生活に時折顔を出し、時には私たちを圧倒することさえあります。

しかし、興味深いのは、こうした負の感情が生まれたときに、それに対抗しようと「頑張ろう」という気持ちが芽生えることがよくある点です。

苦しみや困難に直面しているにもかかわらず、なぜ人はそれでも前向きに努力しようとするのか?

本記事では、この現象について深く掘り下げ、心理的、社会的、そして生物学的な観点からそのメカニズムを解明していきます。

負の感情とは何か?

まず、負の感情とは何かを明確に定義しておく必要があります。

負の感情は、一般的に私たちに不快感やストレスをもたらす感情の総称です。

これには、悲しみや怒り、不安、恐怖、嫉妬などが含まれます。

これらの感情は通常、望ましくない状況や環境に直面したときに引き起こされますが、実はこれらは人間にとって非常に重要な役割を果たしているのです。

負の感情の進化的意義

人間が進化の過程で負の感情を持つようになったのには理由があります。

進化心理学によれば、負の感情は生存に不可欠なメカニズムとして発達しました。

例えば、恐怖は危険を察知し、それに対処するための準備を整えるために役立ちます。

同様に、不安は将来のリスクに備えるための動機付けを与え、怒りは不正に対抗し、自分自身を守るためのエネルギーを引き出すのに役立ちます。

こうした負の感情が存在するおかげで、人間はより安全に、そして効率的に生き残ることができたと言えるでしょう。

しかし、現代社会においては、必ずしも直接的な生存の脅威が存在しない場合でも、同様の感情が引き起こされることが多々あります。

それでも、負の感情が私たちを突き動かし、行動を促すことには変わりありません。

負の感情が「頑張ろう」という気持ちを引き出す理由

負の感情が生まれた時に「頑張ろう」という気持ちが生じるメカニズムは、いくつかの異なる要因によって説明されます。

現状からの脱出願望

まず、負の感情を感じると、人間はその不快な状態から抜け出したいという強い願望を抱きます。

この願望が、前向きな行動や努力を引き出す重要な動機となります。

例えば、自己嫌悪を感じたとき、自己改善のために何かをしようとする意欲が湧くことがあります。

同様に、不安を感じたときには、その不安の原因を取り除くために計画を立てたり、行動を起こしたりします。

自己防衛メカニズム

心理学的には、負の感情が生じたときに「頑張ろう」とする反応は、自己防衛メカニズムの一部と考えられています。

負の感情に対する無力感や絶望感は、放置すると私たちの精神的な健康に悪影響を及ぼします。

しかし、頑張ることで自己効力感を取り戻し、負の感情に対抗することができるのです。

これは、自己肯定感を維持し、自分がまだ状況をコントロールできているという感覚を持つための手段でもあります。

社会的要因

人間は社会的な生き物であり、他者とのつながりを求める存在です。

負の感情を感じた時、周囲からの支援や共感を得たいという欲求が生まれます。

これが、努力を促す一因となるのです。

例えば、仕事で失敗した時、同僚や上司から認められたいという思いが、「もっと頑張ろう」という気持ちを引き出すことがあります。

また、他者と比較して自分が劣っていると感じた場合、それを改善するために努力しようとする気持ちが強まることがあります。

逆境におけるレジリエンスの役割

負の感情に対して「頑張ろう」と思うのは、単なる一時的な反応ではありません。

心理学には「レジリエンス」という概念があります。

これは、困難や逆境に直面したときに、それを乗り越えてさらに成長する力を指します。

レジリエンスが高い人は、逆境において負の感情を経験しても、それを自己改善や目標達成への原動力に変えることができるのです。

レジリエンスは、遺伝的な要因だけでなく、環境や経験によっても形成されます。

幼少期に困難な状況を乗り越えた経験がある人や、強い社会的なサポートを受けている人は、レジリエンスが高まりやすいとされています。

逆に、過保護な環境や孤立した環境で育った人は、レジリエンスが低くなる傾向があります。

レジリエンスについて下記記事で解説しています!ぜひお読みください。

脳の報酬システムと負の感情

また、脳のメカニズムもこの現象に関与しています。

脳内には、行動に対して報酬を与える「報酬システム」という仕組みがあります。

このシステムは、ドーパミンという神経伝達物質によって動かされています。

ドーパミンは、何かを達成した時や努力が実を結んだ時に放出され、私たちに快感をもたらします。

負の感情が生じた時、私たちの脳はそれを打ち消すために報酬を求めるようになります。

これが「頑張ろう」とする動機となり、努力や行動を通じてドーパミンを得るために行動を促すのです。

例えば、運動をした後や仕事で成果を出した時に感じる達成感は、このドーパミンによる報酬の一環です。

ドーパミンについて本ブログで関連がある記事を紹介します。

「頑張る」ことのリスクと注意点

しかし、負の感情に対して常に「頑張ろう」と思うことが、必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。

頑張りすぎることで、逆に心身に負担をかけ、バーンアウト(燃え尽き症候群)やストレス関連の疾患を引き起こす可能性があります。

特に現代社会では、過剰な自己改善や成功へのプレッシャーが強調されすぎており、それが逆に負の感情を悪化させることもあるのです。

したがって、負の感情に対処する際には、無理に「頑張ろう」とするのではなく、自分の限界を理解し、休息やリラックスを取ることも重要です。

特に日本社会では、「頑張る」ことが美徳とされる傾向が強いですが、それが行き過ぎると健康を損なうリスクがあることを忘れてはなりません。

まとめ

負の感情が生まれた時に「頑張ろう」と思う現象は、人間の心理や脳のメカニズムに深く根ざしています。

それは進化の過程で培われた自己防衛メカニズムであり、現状を改善するための強力な動機付けとなります。

負の感情は決して避けるべきものではなく、正しく向き合うことで私たちを成長させる原動力となるのです。

しかし、無理に頑張りすぎることは逆効果になることもあるため、バランスを取ることが大切です。

負の感情を恐れず、それを自己成長の糧としながら、適度なペースで前に進んでいきましょう。

感想

私はこの記事を書くために勉強するまでは、負の感情が嫌な現実を何とかするためにもともと人間に設計されたものだなんて想像もしませんでした。

他に上記で紹介したゲームにハマる理由は脳の仕組みにあるという話でも、人間の本能に根付いた無意識の反応というものがあり、私たちは案外自分では気づかない人間の本能に突き動かされているのかも?と疑問を抱くようになりました。

負の感情がこんなにも生きるために有益なものと思わなかったので、今後負の感情が自分に生まれた時は、何か改善をしたいと無意識に思っているサインだと認識し、改善していこうと思います。

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