はじめに:行動する人が得をする時代?
「とにかく行動しろ」「まずは動け」「考えるより先にやれ」といった言葉を、SNSや自己啓発書で見かけたことがある人も多いでしょう。成功者の多くが「とにかく行動が大事」と語る中で、「本当に行動するだけで得なのか?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
私も行動が大事だとはわかりつつもあまり考えずに物事を始めて実は無駄になることを恐れてある程度考えてしまいます。
この記事では、「人生において行動することが本当に得なのか?」という問いを、哲学的、心理学的、実践的な観点から掘り下げていきます。
なぜ「行動」が重要視されるのか?
まず、なぜ現代社会では「行動」がこれほどまでに重視されるのでしょうか? その背景にはいくつかの要因があります。
成果主義の時代背景
現代社会では、努力や思考よりも「成果」が重視されがちです。アイデアをいくら持っていても、実行されなければ評価されない。ビジネスの世界では「100のアイデアより1の実行」と言われることもあります。つまり、「行動=価値」とみなされやすいのです。
SNS時代のスピード感
SNSが広く普及し、誰でも発信できる時代になったことで、行動の「可視化」が進みました。動いている人は目に留まりやすく、応援されやすい。それにより「行動している人=すごい人」という印象が形成されやすくなっています。
行動すればすべてうまくいくのか?
ここで冷静に考えてみましょう。「とにかく行動すればうまくいく」という考えは、一見前向きですが、全ての人に当てはまるわけではありません。
行動の質と方向性が重要
たとえば、目的や戦略なしに「とにかく動く」だけでは、空回りすることもあります。行き先を決めずに走り出しても、疲れるだけです。「何のために行動するのか」「今の行動は自分の目的に合っているのか」を見直すことが不可欠です。
無駄な行動が心をすり減らすこともある
行動が自己実現や挑戦ではなく、「やらなければいけない」「周囲に遅れたくない」というプレッシャーから来るものであれば、心身を疲弊させる原因になります。「行動=正義」と思い込んでしまうと、自分のリズムや価値観を見失ってしまうことも。
行動しないデメリットとは?
それでも、やはり「行動しないこと」には大きなデメリットもあります。
機会損失が生まれる
行動しないことによって最も失われるのは、「チャンス」です。どんなに考えていても、実際に動かなければ状況は変わりません。「あの時ああしていれば…」と後悔するのは、多くの場合「行動しなかったこと」に対してです。
◆ 機会損失とは?
機会損失とは、「ある選択肢を選ばなかったことで得られたかもしれない利益や成果を逃すこと」です。
つまり、「やらなかったこと」によって得られなかったメリットを指します。
例:
友人に誘われた起業の話を断った → その友人は成功した →
→ 本来得られたかもしれない収入・経験・人脈が「機会損失」
◆ なぜ行動しないと機会損失が生まれるのか?
- チャンスは一度きりであることが多い
→ タイミングを逃すと、もう二度と同じ状況にはならない。 - 人も環境も常に変化している
→ 今しかできない行動が、未来にはできなくなる。 - 考えるだけでは、現実は変わらない
→ 思考や準備は大切だが、実行しない限り“結果”は得られない。
機会損失の怖いところ
- 目に見えないので気づきにくい
→ 失敗や損失は見えるが、「得られたはずのもの」は見えない。 - 後から振り返って初めて後悔する
→ 「あの時やっておけば…」という後悔は、多くが行動しなかったことに起因します。 - 「現状維持」が一番コストが高いこともある
→ 安全そうに見える選択が、実は最も成長や利益を失っている可能性がある。
自己肯定感が下がる
人は自分が行動した時にこそ「自分には力がある」と実感できます。逆に、何もできなかった、動けなかったという経験は、自己否定感につながりやすいのです。小さな一歩でも踏み出すことで、自己肯定感は少しずつ回復します。
◆ 機会損失を避けるためにできること
✅ ① 小さく試す「スモールステップ行動」
- 完璧を目指さず、まずは5分・1件・1通などの小さな行動で試してみる。
- 失敗のリスクを最小限にしつつ、チャンスに触れることができる。
✅ ② 「行動しない理由」を書き出してみる
- 怖いから?失敗したくないから?周りの目が気になる?
- 書き出すことで、自分の中の不安や思い込みに気づきやすくなります。
✅ ③ 価値観と照らして判断する
- 「これは自分にとって意味があることか?」
- 「今動かなければ、あとで後悔しそうか?」
行動と内省のバランスが大切
では、どうすれば「行動」が人生にとって本当の意味で「得」になるのでしょうか? ここで重要になるのが「内省とのバランス」です。
哲学的視点:ソクラテスの教え
古代ギリシャの哲学者ソクラテスは「よく生きるためには、内省せよ」と語りました。つまり、ただ行動するだけではなく、「自分がなぜそれをするのか」を問うことが、豊かな人生には必要だと説いているのです。
現代心理学の視点:メタ認知の重要性
心理学では「メタ認知(自分の思考や行動を客観的に捉える力)」が重要視されています。行動する前に一度立ち止まり、「これは自分にとって意味がある行動なのか?」「自分の価値観と一致しているのか?」と問うことが、行動の質を高めるのです。
自分にとって意味がある行動とは何か?
ここまでの説明で、ただ行動を目的とすると空回りすると解説しました。
それではどう考え行動するべきなのか?それを説明します。
①「何のために行動するのか?」
→ 意味や目的を明確にする問いです。
この問いでは、「その行動が何につながるのか?」を考えます。
- 例:毎日SNSに投稿する → 何のために?
→ フォロワーを増やして、ブログ集客につなげたいから。 - 「行動がどこへ向かっているか?」を明らかにすると、無駄な消耗を減らせます。
考えるヒント:
「この行動の最終的なゴールは何か?」
「5年後の自分にとって意味があるか?」
②「今の行動は自分の目的に合っているのか?」
→ 優先順位を確認する問いです。
やることが多すぎて迷っているときに、最も効果的な問いです。
- 例:毎日ニュースをチェック → 目的は英語力向上だったのに?
→ 今は英語学習の方が優先かもしれない。
行動の「今この瞬間の意味」を見直すことで、リソースを集中できます。
若いうちはなんでもできると思ってしまいますが、それは時間があるからです。
社会人になると自分の時間を取ることが厳しくなり、時間の価値がとても高くなるのでやりたいことに優先順位をつけないと時間が足りなくなります。
考えるヒント:
「この行動は、いま最も必要なことか?」
「他にもっと目的に合った行動があるのでは?」
③「これは自分にとって意味がある行動なのか?」
→ 他人の目ではなく、自分の価値基準で判断する問いです。
人はつい「周囲がやっているから」「評価されそうだから」といった理由で動きがちですが、その行動が自分にとって納得できるものかが大事です。
SNSや日本の出る杭は打たれる国民性から他人の目を気にしすぎる人が多くなり、無意識のうちに他人の目で判断する人が増えているので注意が必要です。
- 例:資格を取る勉強 → 周囲がやっているからではなく、
→ 自分の将来に必要か?興味があるか?で考える。
考えるヒント:
「これは自分が本当に望んでいることか?」
「誰かの期待に応えようとしていないか?」
④「自分の価値観と一致しているのか?」
→ 自分らしく生きるための根本的な問いです。
価値観とは、「自分が大事にしている考え方・生き方」です。
- 例:「家族との時間を大切にしたい」という価値観を持つ人が、
→ 長時間労働のために子どもとの時間がないと、価値観と行動がズレてしまう。
価値観と行動が一致していないと、どこかで違和感や不満が生まれます。
考えるヒント:
「自分にとって譲れない価値は何か?」
「この行動はその価値に合っているか?」
問いは“自動運転”から“意志的な行動”へ切り替えるスイッチ
これらの問いを使うことによって、あなたの行動は「なんとなく動く」から「意味をもって動く」へと変わります。
✔ 目的を明確にする
✔ 優先順位を整理する
✔ 他人ではなく自分基準で考える
✔ 自分の価値観に沿って選ぶ
このように問いかけながら行動することは、人生の舵を自分の手に取り戻すことなのです。
「とりあえず行動」から始めてもいい理由
そうは言っても、「考えすぎて動けない」状態にある人も多いでしょう。そんな時には、「とりあえず動く」ことがきっかけになることもあります。
小さな行動が自信につながる
大きな目標に向かう前に、まずは「5分だけ調べてみる」「1通だけメールを送ってみる」など、小さな行動から始めましょう。小さな成功体験が「自分でもできる」という感覚を育み、次の行動につながります。
行動することで情報が手に入る
実際に動いてみると、情報や人とのつながりが得られます。これは、頭の中だけで考えている時には手に入らないものです。行動によって新しい視点や選択肢が生まれるのです。
やる気は行動から生まれる
やる気は行動することによって生まれます。
やる気が出るということは行動したことの理解をより深めるきっかけになります。
やりたいことの理解が深まればどんどんやるべきことが見えてきます。上で説明した行動することで情報が手に入る状態です。
やる気は行動から生まれることについて下記記事で紹介しています。
まとめ:人生は行動だけでは得にならない、でも動かないと損をする
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 行動は確かに人生を動かす原動力である
- しかし、無計画な行動は疲労と空回りを招く
- 自分にとって意味のある行動かどうか、内省が重要
- 動かないことによる「機会損失」は後悔を生みやすい
- 小さな行動から始めて、自己効力感を育てよう
結論としては、「行動だけでは得にならないけれど、行動しないと損をする」というのが現実です。だからこそ、「行動と内省のバランス」が人生の充実にとって鍵となるのです。
行動を始めるあなたへ
もし今、何か始めたいと思っているけれど、一歩が踏み出せないのであれば、まずは「なぜそれをやりたいのか?」をノートに書き出してみましょう。そして、今この瞬間にできる「最小の行動」をひとつだけやってみてください。
PCを起動する、教科書を机の上に置く、10秒だけ勉強するといった簡単なレベルから始めていきましょう。
行動は、人生を変える最初の一歩。小さな行動の積み重ねが、やがて大きな変化へとつながっていきます。


